大慈禅寺の涅槃図
先日の日曜日(3月22日)、表具師をしている叔父から、大慈禅寺の涅槃会で公開した『釈迦涅槃図』を片付けに行くので手伝ってほしい、と頼まれたので、ちょっとお手伝いに行ってきました。
熊本市南区野田にある大慈禅寺(だいじぜんじ)は大慈寺(だいじじ)とも呼ばれる曹洞宗の寺です。山号は大梁山(だいりょうざん)。創建は弘安元年(1278)。曹洞宗の開祖である道元の高弟・寒厳義尹(かんがんぎいん=1217 - 1300)の開山と伝えられています。寒巌義尹は後鳥羽天皇(順徳天皇とも)の皇子ともいわれ、朝廷との結びつきが深く、紫衣を許され、曹洞宗の九州本山として寒巌派の拠点となっていました。しかしその後、度重なる火災で衰退と再興を繰り返し今日に至っているということです。
涅槃会はお釈迦様の命日(3月15日)を含む期間(3月15~17日)、お釈迦様を偲ぶ法要が行われるお祭りです。涅槃図は、涅槃会の期間にお寺に掲げられる絵図のことで、絵には、涅槃に入った(亡くなった)お釈迦様の周りに弟子や動物たちが集まり、お釈迦様の死を嘆き悲しむ様子が描かれています。
お釈迦様の寝床の四隅には沙羅双樹。木は悲しみのあまり枯れ果てたと伝えられています。また、お釈迦さまの命日は3月15日(旧暦2月15日)ということから、上部には満月が描かれています。






涅槃図には、人間のほかに多くの動物や虫たちが描かれていますが、その中に猫はいません。これは、ねずみがお釈迦さまの使いとされているからだそうです。しかし、絵師によっては猫をそっと入れたり、依頼主に頼まれたのか、猫が描かれている涅槃図もあるそうです。ちなみに、この涅槃図に猫はみつかりませんでした。
大慈禅寺の涅槃図は九州一ともいわれる見事なもので、明和六年(1769)の作だそうです。本堂のご本尊の後ろに掛けてありました。なるほど、これは一人ではムリです、下ろせませんね。
30年ほど前、たいそう痛んでいたこの掛け軸を叔父が表装し直し、それ以来、毎年出して片付けるのは叔父の仕事になったそうです。思わず、鑑定団に出したらどのくらいになるんだろう!などと不埒なことを考えてしまいました(^^ゞ。
つづく









大慈禅寺の涅槃図は九州一ともいわれる見事なもので、明和六年(1769)の作だそうです。本堂のご本尊の後ろに掛けてありました。なるほど、これは一人ではムリです、下ろせませんね。
30年ほど前、たいそう痛んでいたこの掛け軸を叔父が表装し直し、それ以来、毎年出して片付けるのは叔父の仕事になったそうです。思わず、鑑定団に出したらどのくらいになるんだろう!などと不埒なことを考えてしまいました(^^ゞ。
つづく
by minami-fukushi
| 2015-03-25 00:33